【vol.2】実施レポート:農+食とやまのさとやま くらし・しごとツアー〈1日目〉

更新日:2017/11/15 17:01

未来の移住者のためのスペシャルカスタマイズツアー【とやま移住旅行VOL.2】の2コース目は、農と食をテーマに10月28日~29日の1泊2日で開催されました。

富山の風景がもっともカラフルになる実りの秋。
農業や食に関する仕事をなりわいにしている移住者や、食関係の活動をしている方々を訪ねて、とくに、里山エリア(大沢野・土、大長谷、八尾)を巡りました。

富山県の3分の1は富山市エリア!ということで、前回の1コース(10/14~15開催)は比較的便利でコンパクトシティなまちなか散策をしましたが、〝同じ富山市とは思えない〟くらい、けっこう山の方を巡り、そこで個性的で芯の通った生き方をしていらっしゃるみなさんに会いに行きました!

まずは1日目のレポートです。

2日間の総合ガイドは、エコロの森の森田由樹子さん。

今回は、富山市の里山エリアにめちゃくちゃ詳しい、森田さんが総合ガイド。自身も移住者ですので、移動中も〝富山あるある〟〝移住あるある〟ネタを常に提供いただきました♪

富山市大沢野エリア:土(ど)

「土遊野」の河上めぐみさん

富山駅からバスで一路、大沢野エリアの〝土(=ど)〟へ。
30年ほど前すでに限界集落だったこの地に、東京から移住してきた、めぐみさんのご両親が有畜循環型農業を始められ、今はめぐみさんが代表を務めています。

広大な土地で、農薬や化学肥料を使わずにお米や野菜を育て、その自家野菜と有機発酵飼料で育てた平飼いのニワトリの卵を使って、シフォンケーキやプリンなども作っていらっしゃいます。

見晴らし最高の棚田の上から、土遊野の広大な敷地を眺めながら「約180年ほど前にこの地を開墾した先人たちがいたからこそ、自分の暮らしがある。里山からいのちをいただいている」と力強く語るめぐみさん。

バスの運転手さんも、思わずスマホで撮影したくなる眺め

次は鶏舎へ。

ニワトリさんの食べるごはんも自家製

平飼いでのびのびと育てられているニワトリ。野菜くずなどの緑肥と米ぬかなどを混ぜて発酵させたオリジナル飼料を食べているので、鶏舎、そんなに臭くありません。

京都から参加された方が「実は土遊野さんの卵、京都のこだわりのお店で売っていて、食べて感動したんです。こんな風に育てられていたのですね!」と、生産現場に来られたことを感慨深げに話してくださいました。

「つくる人と食べる人は、ちゃんとつながっている」。
食べる人を思いながら、農作物や動物たちにふれているめぐみさんにとって、こういう言葉は何よりの励みだと思います。

ニワトリさんをしめてます

そして、卵をたくさん産んでくれたニワトリさんは、敷地内の加工施設で、めぐみさんのご主人によって、手早くさばかれてお肉になります。

※以下の写真閲覧注意

あっという間にさばかれたニワトリ

首を切り血を抜いてから、羽根をむしって、このような姿に。
どこか安らかに見えるのは、最後まで命をありがたくいただくことへの愛情と感謝とともに、河上夫妻がヒヨコから大切に育てたニワトリさんだからかもしれません。

河上夫妻とともに昼食

もともと、建築関係の仕事をしていたご主人は、めぐみさんとの結婚を機に、土遊野で働くようになりました。自然と向き合いながらの暮らしにもだいぶ慣れ、サラリーマン時代よりも体がずいぶん締まって、アレルギーも治ったそう。「ここでは、身体を動かし生活することが仕事」と話してくださいました。

土遊野でできたもの100パーセントのカレー

さっきしめられたニワトリさんのお肉

お野菜も、お米も、お肉も、ぜんぶ土遊野でつくられたものでできたカレー、さっきしめられたニワトリさんの味わい深いお肉もソテーでいただきました。
かみしめるほどにありがたい、身体に染み入るランチでした。

対話の時間①

アデア牛乳をつかったカフェラテ

ランチが終わったあとは、立山連峰が一望できるテラスに移動。
カフェラテを飲みながら、引き続き土遊野さんで対話の時間をとりました。

対話の時間① ゲストは田中美弥さん

ゲストは、土遊野さんと様々な企画やイベントでコラボしている、野菜ソムリエ上級プロの田中美弥さん。大阪から結婚を機に富山にやってきて、食の世界に目覚め、今は県内の大学や企業、シェフなどと共同で特産品の開発やイベントなども幅広く手掛けていらっしゃいます。

県の移住・定住担当:高木さん

富山の生活について、素朴な疑問や裏事情など、少人数でざっくばらんに語りつつ、県の担当者からは、手厚い移住支援の内容のご紹介も。

さて、今度は、暗くなる前に大長谷に向かいます。

富山市大長谷(おおながたに)エリア

大長谷は、〝おわら風の盆〟で有名な旧・八尾町にある、岐阜県境の集落。
富山市のまちなかから約1時間、八尾のまちなかからも40分はかかる、けっこう辺境の地です。

でも、この大長谷地区、最近は知る人ぞ知る移住先進地になっていて、ここ数年、20~30代の若い夫婦や家族が次々に住み着き始めております。

平飼い養鶏を営む川波宣慶さん

そのひみつのひとつが、川波さんの存在。川波さんは九州ご出身で、会社員から一転、自然農法を学び、約30年前に大長谷に引っ越してきて、平飼い養鶏を始めます。ちょうど、さきほどお邪魔した土遊野のめぐみさんのご両親らと同じくらいのタイミングです。
ご自身の移住の経験や大長谷での暮らしのご苦労などをもとに、もともと地元に住んでいらっしゃった方々と協力して、大長谷に住みたい&住み始めた人たちの様々なフォローをしてくださっています。

生粋の地元民・津田大さん

大長谷温泉で体を温めた後は、大長谷のみなさんと、対話の時間。
大長谷の人々にとっての山は、格別な存在。山菜やきのこなどの旬の恵みを与えてくれるだけでなく、自然の圧倒的な力で暮らしが脅かされてしまうこともあります。だからこそ、命をいただき、命を守るための術がどんどん身について、おひとりおひとりが達人・仙人みたいです。「生きる力」めちゃめちゃあります。

交流会にて。シェフの村上恵美さん

そして、交流会へ。
移住先進地のひみつのふたつめは、村上恵美さんの存在。
大阪でイタリア料理の修行を経てUターンした恵美さんは、山荘やレストランを営む叔父さんを手伝うため、大長谷ふるさとセンターを切り盛りするようになりました。
大長谷の自然の恵みを生かした山菜やきのこ、木の実などは、恵美さんのアレンジでオシャレなイタリアンに。古くから食べられているお料理ももちろんですが、新しい食べ方が楽しめるとあって、今回ガイドの森田さんが毎年企画しているツアーでも、恵美さんのお料理とセットの体験は大人気だそうです。

恵美さんのお料理をはじめ、地元のみなさんが持ち寄ってくださった交流会のお料理たち↓

笹のます寿司とゆで落花生

大長谷に移住してきたばかり、イギリス帰りの寿司職人さんが、なんとお米からつくっている笹寿司。すごいこだわり!食べ応えのある逸品でした。

いろいろオードブル(リッツ以外は地元産!)

サンマのカルパッチョ

ジビエ、きのこのグラタン

わいわいと夜が更けていきます。
宿泊は、白木峰キャンプ場にて。
2日目に続きます。